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今がある軌跡 | 京都 いわくら病院 医療法人稲門会 精神科 老人介護保健施設(老健)訪問看護

スタッフコラム

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今がある軌跡

 


 

佐々木 優 看護部 副部長

 

Ⅰ.精神科看護師のスタートラインを振り返って

 一般科で看護師をしていた私ですが、友人の勧めもありいわくら病院へ就職を決意するにあたり、友人や親から驚きの声を受けました。精神科というだけで周囲の反応は思った以上にシビアでした。今思えば友人の軽い勧誘にヒョイと乗っただけだったのかもしれません。就職直後には理解しがたい当事者の言動や行動を目の当りにして戸惑っていた自分がいたのは事実です。でも同僚や先輩、そして医師の当事者に対する優しさやあたたかさに感動を覚えたのも忘れられない事実で、自分の戸惑いも早期に緩和されていきました。看護師に優しさやあたたかさが必要なのは言葉で理解していても、実際は業務に追われたり自分のスケジュールを優先させてしまいがちで、関わりに目を背けて勝手な関係性の完結をしていた時期もありました。当事者との対話の中で自己洞察しながら時に慎重に、時にオープンに、時にはユーモアセンスを問われながら(笑)、その人のペースに合わせた関わり方や援助方法を模索していく過程そのものも精神科看護師として必要なスキルです。

 いわくら病院入職3年目で臨地実習指導者講習に参加しました。2ヶ月間の長い研修でしたが学びは非常に広く深く、精神科看護師としてだけではなく、看護教育者としても成長を実感できたターニングポイントでした。個人を捉えていく重要性も身に付き、当事者ひとりひとりがどんな背景で、どのような経緯で罹患され、我々にどこまで信頼をおいていただけるのか?そこに看護としての責務はどこにあるのか?日々の当事者中心に行なわれるカンファレンスや多職種で悩み合う場面において、多職種同士が信頼し合っていることや一丸となってサポートする姿勢にも精神科医療の醍醐味があると確信しています。もちろん、答えがなかなか見いだせず、真摯に差しのべた手を振り払われそうになることもあります。それ以上に悩みや生き辛さを抱える当事者の思いを引き出し、理解し、より良き未来の選択肢が実現できるようこれからもサポートさせていただけたらと思います。はじめは軽い気持ちで精神科を選んだかもしれませんが今ではその選択は間違いではなく、精神科看護師としてのやりがいを友人や親にも伝えられるようになりました。

 

  Ⅱ.二児の父として

 いわくら病院に入職して15年が経過しますが、現在二児の父としてプライベートも充実してます。娘が乳幼児期にはとても大変で、夫婦共働きで仕事では三交替の夜勤に当直をして帰宅すれば保育園の送り迎えに子育てが待っている…といった自分の役割に押しつぶされそうな時期もありました。でも我が子は可愛いものです。あどけない娘の仕草や言葉が仕事の疲れを一気に吹き飛ばしてくれることも多く、職場でも辛さやしんどさを共感し、アドバイスをくれる同僚や先輩たちもたくさんいました。そんな中、家族のありがたさや幸せについて、触れることや考える機会をいただけたことで、今胸を張って充実していると言える自分がいます。稀に女性看護師で寿退職という言葉を耳にしますが、その方なりの人生設計に添った判断だと思います。しかし、看護師として働く以上、様々な場面において御家族様へのアプローチも少なくありません。自分が家族をもつことで当事者や御家族様に対する気持ちの寄り添いに看護の視野が格段に広がります。それまで培ってきた看護に、自分の人生がリンクしていく感覚を覚えさせられます。夫や妻、父や母になったことで看護師としても成長できる、こんな素晴らしい体感は寿退職ではもったいないなと感じてしまいます。家庭をもち、子育てしながら看護師をする人へ自分の体験を活かし、子育て応援できる病院づくりにも貢献していきたいと思います。そして、仕事の帰りを笑顔で待ってくれる娘たちのためにも、誇りをもって看護師してるって言い続けられるように。

 

Ⅲ.副看護部長になって

 「一国一城の主は元気か?」という問いがあります。これは病棟や職種をまとめながら運営していくために、長は健康であるべきだという問いと習ったことがあります。HWP(ヘルシーワークプレイス)でも唱えられているように、健康で安全な職場づくりが求められる昨今、健康管理としての看護職のロールモデルにもならなければいけません。まず自分自身が健康に気遣い、【健全】でいられるように体調管理していきたいと思います。

 「実るほど頭(こうべ)を垂れる稲穂かな」ということわざはご存知かと思います。見た目はかなり立派だが成長すればするほど頭の低い【謙虚】な姿勢でいるべき、という意味に例えられています。組織を運営するにはスタッフの協力は不可欠です。病院としての方針や指針・提案に対してコンフリクトを生じてしまう事も今後起こりうるだろうと想定されます。そこで、話しやすい・妥協点を形成しやすい環境づくりや雰囲気づくりにしていくためにも謙虚な姿勢で臨んでいけるよういに努めていきたいと思います。

最後に組織管理のナレッジマネジメントや運営スキルに関してますます【パワーアップ】していけるように自己啓発し続けていきたいと思います。

管理職としては新人で、慣れない立ち位置に時には苦渋する事もあろうかと思いますが、上記に述べた【健全】【謙虚】【パワーアップ】をモットーに、【ケン・ケン・パッ】を自分の合言葉とし、片足でも、両足で少し立ち止まりながらも前に進んでいけるよう組織運営に微力ながらでも力になれたらと考えています。こんな私ですがこれからもどうぞよろしくお願いします。

 

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