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二つ目の大きな試練がやってきたのは、主任になった29歳の時でした。
中堅としてはすでに一番古く、病棟のそのフロアのことは誰よりもよく知っているという自負もありました。けれども、主任になれば第一線から少し離れたところに身をおいて、チームがうまく回るようにフォローしたり、スタッフの教育をしなくてはなりません。それがどういうことか、よくわからないまま半年が過ぎた頃、突然、スタッフから突き上げがあったのです。
普段は仲良くつきあっている仕事仲間が、表情をあらためて「主任がちゃんとしてくれないから、業務にさしさわりが出ている」「判断と答えがきちんと返ってこない」と迫ってきました。私は、まさかこんなことが私の人生に起こるなんて、と大ショック。「仲のいいスタッフの中で、のんびり主任として育ててもらえばいい」と思っていた自分の判断の甘さを思い知らされました。
それから初めて、きちんと話し合いをもちました。なれあいでもなく、個人攻撃でもなく、思いをしっかりと伝え合う。この繰り返しによって、私はどういうシステムを作っていけば、現場のスタッフが動きやすいのかを考えるのが自分の仕事であることを、徐々に学んでいったのです。
できあがったシステムの中でベストを尽くすのが第一線なら、主任の仕事は、そのシステムをできるだけ広い視野と深い判断によってつくり上げること。
痛い思いをしましたが、そのことによってスタッフの真剣な思いを知り、自分自身を成長させることのできたいい経験だったと思っています。
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