いわくら病院は古くから心の病に関わった歴史を持つ京都・岩倉で開放病棟を実践しています

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人と人とが出会う場所 京都・岩倉の地で半世紀 あたたかい精神医療を
京都・岩倉の地で半世紀
「人が人として生きる」というあたりまえのことを実践するために、幾度となく流された、汗と涙。
そし得られたのは、すべての苦労を吹き飛ばすほどの喜びと笑顔。私たちの歴史を聞いてください。
癒しの地・岩倉

 岩倉の地には、古くから心の病に関わった歴史があります。平安時代、ここには大雲寺という寺があり、心を病んだ人びとが、邪気を追い払うため加持祈祷を受けに訪れました。
  江戸時代になると、加持祈祷ではなく、観音信仰にすがり、修行することによって、病を克服しようとしました。うわさを聞いて訪れる人はあとを絶たず、大雲寺や実相院では収容しきれずに宿泊施設ができ、寺、旅館、周囲の民家が協力して病人を支えました。
  それは決してきれいごとではなく、その頃の記録には、暴れ回って処遇困難な人に足鎖をつけたことや、「強力」と呼ばれる介抱人が打擲して、注意を受けたことなどが記されています。
  しかしその一方で、「一緒に勉強したり、教えてもらったりした」「田んぼも一緒にした」という村の古老の話も伝わっています。人びとが精神病者に対してどんな印象を抱いていたかを物語る、ひとつのエピソードをご紹介しましょう。

 『天保14年、松屋源兵衛宅で世話をしていた米三郎の金子十両が紛失した。疑われた者の中に、乱心者・助十郎がいた。すると源兵衛は取り調べの場で、「助十郎は正直すぎて病気になったのだから、金を盗るわけがない。容疑者から外してくれ」と言った』。
人びとの間に、あたたかい信頼関係が築かれていたことを示すエピソードです。

むかしむかしのお話、源兵衛さんと乱心者・助十郎のお話。
なぜ、岩倉の地なのか。
なぜ、開放医療なのか。
その原点がここにあります。
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開放医療への取り組み

 1952年、岩倉の地にいわくら病院が開設され、心の病に医療として関わっていくことになりました。
  終戦から7年、残念なことに当時の社会は精神病者を全くの厄介者と見なしていました。檻のような病棟の中に閉じ込め、隔離する。人間として扱われず、差別と偏見の中に、精神病者は取り残されていたのです。

 そんな病院に、1970年、理想に燃えた6人の青年医師たちがやってきました。その時から開放医療を目指すいわくら病院の闘いが始まりました。
  医師たちは「看護者に都合のいい体制ではいけない。病院の主体はあくまで患者にある」と主張。鉄格子をはずし、患者側に自由を取り戻すことを提唱しました。これまでとは全く逆の考え方に病院内は大混乱。患者様まで巻き込んで、嵐のような状態が続きました。

  最も改革すべきは「精神病者は一人ではなにもできない」「精神病者を自由にするとこわい」という私たち自身の中に巣食う思い込みでした。しかし、それを変えるのはなまはんかなことではなかったのです。
  開放病棟を実践している病院への見学、意識改革のためのスタッフの話し合い、患者様に主体性を持ってもらうための自治会の結成など、口で言うのは簡単ですが、行動に移していくのは命がけと言ってもいいような努力によって、いわくら病院は開放医療に向けて歩んでいきました。

病院長インタビュー
愛・信頼・希望・そして癒し
 

いま、いわくら病院では、老人性認知症疾患治療病棟以外は開放病棟が実現しています。患者様は自由に行き来し、明るい笑顔でスタッフと立ち話をしています。
  けれども、まだまだ私たちの理想は道半ば。病院内は開放されても、社会にはあいかわらず精神病者に対する根強い差別や偏見が残り、社会復帰しようとする患者様の前に分厚い壁となって立ちはだかります。

  社会復帰のシステムが機能しなければ、患者様は長期入院を余儀なくされ、そのことによって、世間に出て行くのがこわくなるという、二次的なハンデを負うことにもなります。
  本当の意味での患者様の治療、それは病院の中だけではできません。心の病をもった方を、自分たちの仲間としてあたたかく、やさしく迎えいれる地域社会がぜひとも必要なのです。

  遠い昔、岩倉の地で、精神病者をありのままに受け入れ、ともに暮らしていた先人たち。
  その大らかな声にいま一度耳を傾け、「愛・信頼・希望・そして癒し」という病院理念を、地域のみなさまとともに、ひとつひとつ形にしていくこと。
  それが、これから刻んでいく私たちの歴史です。

「看護者に都合のいい体制ではいけない。
病院の主体はあくまで患者にある」
医師たちを突き動かしたこの志は今も私たちの揺ぎ無い理念として生き続けています。
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Love Trust Hope & healing
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