ページトップへ

Vol.1ごあいさつ | 採用情報 | 京都 いわくら病院 医療法人稲門会 精神科 老人介護保健施設(老健)訪問看護

認知症治療

Vol.1ごあいさつ

皆様こんにちは。

認知症治療病棟担当医の近藤と申します。

病棟担当になって十数年経過しましたが、まだまだ教えられることがたくさんあります。特に認知症の患者様は、これまでの深い、深い人生を生きてきたゆえのお言葉をふっと話されます。これまでこの仕事に関わってきて、そういった言葉にどれだけ救われたかわかりません。

そのような患者様の言葉…私たちの病棟ではそれを「にやりほっと報告」として皆で共有するようになりました。ん?「にやりほっと」とはいかに?

リスクマネジメントの言葉で「ひやりはっと」という言葉があるのをご存じの方もいらっしゃると思います。「ひやり」「はっと=ハッと」する様なことが多く起こるとその先には必ず大きなリスクがある…医療の現場では自らを戒めるための、緊張感を伴う言葉です。

それにヒントを得て真逆の内容の言葉をあるスタッフが考えつきました。それが「にやりほっと」です。「にやり」「ホッと」するような言葉を患者様が話していたよ…それは楽しいなあ、それはほっ、とするなあ…うれしいなあ…仕事に疲れた(?)職員の何よりのエネルギーになっています。

本日はブログ第一号。記念すべきことでもあり、患者様からいただいた言葉をご紹介させていただきたいと思います。

 

~どこへ行くともなく廊下を歩いている女性の患者様。いわゆる『徘徊』といってもいいような状況です。心配したスタッフが側に寄りましたが、たまたま痛めていた腰をすこし、ほんの少しだけかばうような姿勢で側に寄って…

患者様:腰でも痛いんか?こっちへおいで。

スタッフ:ごめんなさい。よく気づかれましたね、すみません。大丈夫ですよ。ご心配なく。

患者様:いや…《腰のあたりに両手をかかげて》…「えい!」「えい!」

「おまじないや。絶対によくなるで」「まっときや!」

スタッフ:ありがとうございます!

心配して声をかけたつもりのスタッフが逆に元気づけられる…そんなエピソードでした。

 

このプログではこういった「スタッフが経験したこと」「うれしかったこと」のみならず、「病気について」「つらいおはなし」など様々な内容のものをお届けできればと思っております。つたない文章ではございますが、どうぞよろしくお願い申し上げます。

 

認知症治療